神奈川 公立高校受験 選抜方法
平成25年度春の入試から、神奈川県の公立高校の入試制度が変わりました。すべての課程(全日制・定時制・通信制)で実施される「共通選抜」と、定時制・通信制のみで実施される「定通分割選抜」が設けられています。新しい入試制度の特徴は以下の通りです。
- 共通選抜の機会は1回となります。
旧制度では前期・後期の2回の選抜を実施していましたが、課題であった長期化と複雑化を是正するために、2回の選抜を一体化し、選抜の機会が1回になっています。 - 全員が学力検査と面接を受検します。
すべての高校に共通の検査として、学力検査と面接が実施されています。学力検査では、おもに「基礎的な知識および技能」と「思考力、判断力、表現力等」と測り、面接では、「主体的に学習に取り組む姿勢」を測ります。 - 学力検査は「思考力・判断力・表現力」を重視して行われます。
これまでの学力検査は、「基礎的な知識および技能」の把握に重きが置かれてきましたが、「新たな学力」をバランスよく測るため、「思考力、判断力、表現力等」の把握をより重視した内容へと改められています。これにより、平成24年春までの一部の高校で実施されてきた独自の学力検査問題は、すべて廃止されています。 - 調査書は評定だけを資料にします。
中学校が作成し、受験生が願書とともに提出する「調査書」は、これまでと同様に選考資料となっていますが、5段階の「評定」のみを資料としています。 - 各校の特色に応じた検査も実施されます。
学力検査と面接の共通の検査以外に、各高校の特色に応じた検査を実施することができ、これを「特色検査」といいます。特色検査には、「実技検査」と「自己表現検査」の2種類があり、特色検査を実施する高校は、学力検査の教科数を3教科まで減らすことができます。 - 各資料の比較は各校が選択します。
選抜は、第1次選考と第2次選考に分かれていて、それぞれ「数値S1」「数値S2」を用いて選考が行われます。S1・S2値を算出する際の比率は、定められた範囲内で各高校が選択します。S1・S2値に関しては下記項目でご説明します。
入試日程
- 共通選抜(全日制・定時制・通信制の課程)、連携型中高一貫教育校連携募集、特別募集及び中途退学者募集
- 募集期間
- 平成31年1月28日(月)から30日(水)まで
- 志願変更期間
- 平成31年2月4日(月)から6日(水)まで(連携型中高一貫教育校連携募集及び足柄高等学校特別募集は除く)
- 学力検査等の期日
- 平成31年2月14日(木)
- 面接及び特色検査の期日
- 平成31年2月14日(木)、15日(金)及び18日(月)(連携型中高一貫教育校連携募集及び足柄高等学校特別募集は2月15日(金)のみ)
- 追検査の期日
- 平成31年2月20日(水)(連携型中高一貫教育校連携募集(光陵高等学校を除く)及び足柄高等学校特別募集は2月21日(木))
- 合格者の発表
- 平成31年2月27日(水)
- 定通分割選抜(定時制(夜間)・通信制の課程)
- 募集期間
- 平成31年3月1日(金)及び4日(月)
- 志願変更期間
- 平成31年3月5日(火)及び6日(水)
- 学力検査等の期日
- 平成31年3月12日(火)
- 面接及び特色検査の期日
- 平成31年3月12日(火)及び13日(水)
- 合格者の発表
- 平成31年3月19日(火)
選抜方法
-
調査書+学力検査+面接 (+特色検査)で選抜します。
※特色検査実施の有無は各校にゆだねられます。 -
学力検査は、5教科で実施されます。
(高校によって、2教科の範囲で2倍までの重点化をすることができます。)
(特色検査を実施する場合は3教科まで減らすことができます。)
(定時制は、これまでどおり3教科の実施となります。)
各資料の扱い
「特色検査(実施した場合)」をそれぞれ100点満点に換算し、換算した数値を順にa~dとします。
- 調査書(重点化しない場合)
a=((2年の9教科の評定合計)+(3年の9教科の評定合計)×2)÷135×100・2年3学期(または後期)と3年2学期(または同時期)の9教科の評定を用います。
・高校によって、3教科の範囲で、2学年+3学年×2の合計値に2倍まで重点化をすることができます。 - 学力検査(重点化しない場合/各教科100点で5教科とした場合)
b=(5教科の合計得点)÷500×100 - 面接
c=(面接の結果) - 特色検査(実施した場合)
d=(特色検査の結果)
合計数値の算出
①第1次選考(S1値)
- a~dの数値に各校が定めた係数(比率)を乗じてS1値を1000点満点で算出します。ただし、特色検査を実施した場合は、最大で1500点満点となります。
- S1値の順位に従って、募集人員の90%までを合格とします。
S1=a×f+b×g+c×h(+d×i)
a×f ⇒ 調査書の得点
b×g ⇒ 学力検査の得点
c×h ⇒ 面接の得点
d×i ⇒ 特色検査の得点
- ※f・g・hの係数(比率)は2以上の整数で、f+g+h=10になるように配分する。
- ※iの係数(比率)は5以下の整数で、f+g+h=10に加える。
②第2次選考(S2値)
- b~dの数値に各校が定めた係数(比率)を乗じてS2値を1000点満点で算出します。ただし、特色検査を実施した場合は、最大で1500点満点となります。
- S2値の順位に従って、募集人員まで合格とします。
S2=b×g+c×h(+d×i)
b×g ⇒ 学力検査の得点
c×h ⇒ 面接の得点
d×i ⇒ 特色検査の得点
- ※g・hの係数(比率)は2以上の整数で、g+h=10になるように配分する。
- ※iの係数(比率)は5以下の整数で、g+h=10に加える。
選考の方法
- 第1次選考として、募集人員の90%まで数値S1に基づく選考が行われます。
- 第2次選考として、学力検査と面接の結果を資料として選考が行われます。
- クリエイティブスクールでは学力検査を行わず、面接や自己表現検査、調査書の観点別学習状況の評価などを選抜の資料とします。
- 特色検査を実施した場合は、その結果も選考の資料として活用されます。
用語解説
- 共通選抜
- これまでの前期選抜・後期選抜にかわり、全日制・定時制・通信制で同日程で実施される選抜。定時制と通信制では共通選抜の後に「定通分割選抜」を実施する。
- 特色検査
- 各校が特色に応じて総合的な能力や特性をみるために実施する検査。内容は実技検査、自己表現検査である。
- S値 数値S
- 定員の90%を決定する1次選考で使用される数値。調査書、学力検査、面接の結果を各校が定めた比率に応じて換算し、その数値の上位から順に合格者を決定する。
- 第2次選考
- 募集定員の90%をS値に基づき選考する第1次選考のあとに定員の10%を決定するのが第2次選考。第2次選考は学力検査と面接結果で選考される。