222(コラム)

効率的な勉強につながる「分散学習」とは?

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人のメカニズムを利用する「分散学習」

「頑張って勉強しても、数日したらほとんど忘れてしまう」「暗記が苦手」という方は多くいらっしゃるはずです。そのような場合は、「分散学習」と呼ばれる学習法を試してみてはいかがでしょうか。

 

分散学習とは、「1度勉強したことを、忘れかけてきたタイミングで再び学び直す」学習法です。1日後や1週間後など、一定の期間を空けながら定期的に復習することで、勉強した内容を記憶として定着させます。

 

「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は1度学んだり覚えたりしても、1日後には7割ほどを忘れてしまいますが、こまめに学習し直すと記憶として定着し、忘れにくくなるとされています。

この人の記憶に関するメカニズムを利用するのが、分散学習です。

 

勉強を効率的に行えるのがメリット

分散学習で同じことを繰り返し復習すると、勉強した知識を記憶として定着させられます。入試や資格取得など、年単位で勉強しなければいけない場合は、最初に勉強したことを試験直前に覚えていないケースもあるはずです。

定期的に復習の機会を設けておくことで、試験直前の総復習もスムーズに行えるようになります。

 

また、分散学習は「物事を忘れそうになったタイミング」で復習するのも特徴です。

何度も同じことを勉強するのは非効率と思いがちですが、必要なタイミングに絞って復習するので、結果として勉強の効率化につながります。

 

 

分散学習と集中学習の違い

分散学習と比較される勉強法に「集中学習」があります。集中学習は、時間をおかずにまとめて学習する勉強法です。テスト前の一夜漬けや、同じ単語を何度も繰り返し書いて覚える方法を考えるとわかりやすいでしょう。

 

しかし、テスト前に一夜漬けで覚えた記憶は、テスト後にはすぐ忘れてしまうものです。

集中学習は、短時間なら高い効果が期待できますが、長期的な記憶の定着率は悪く、忘れやすい勉強方法といえます。

 

 

集中学習との使い分けが大切

長期的な記憶の定着には、集中学習よりも分散学習のほうが優れていますが、集中学習にもメリットはあります。

 

例えば、難しくて解き方がわからない問題をいくら復習しても、「わからなかった」という記憶が残るだけでしょう。

そのような場合は、最初に集中学習で内容を把握してから、分散学習で記憶として定着させるようにすれば、より効率的に勉強を進めることができます。

 

新しい分野や難しい問題にチャレンジする時は集中学習を、既に習った分野は分散学習を行うなど、それぞれの特徴を把握して、上手に使い分けることがポイントです。

 

 

分散学習のルールを決めておこう

分散学習を行う際は、ルールを決めておくことが大切です。

 

最初に、復習するタイミングを決めておきましょう。分散学習は、知識を忘れかけてきた頃に行うのが効果的とされています。

1回目は最初に勉強してから1日後、2回目は3日後、3回目は1週間後など、少しずつ期間を延ばしながら繰り返し復習を行うのがポイントです。

 

特に、初めて学んだ分野は忘れやすいので、必ず翌日に復習を行うことをおすすめします。

スケジュール管理が難しい場合は、分散学習用のアプリやツールを活用するのも良いでしょう。

 

また、復習が重要とはいえ、いつまでも同じ内容ばかりを繰り返していると、次第に復習だけで勉強時間が終わってしまう状況に陥るはずです。新しい単語を覚えたり、違う分野の勉強をしたりする時間がなくなってしまう可能性があります。

 

事前に「どこまで行ったら復習を止めるか」を決めておきましょう。「5回復習したら別の分野を勉強する」「確認テストに正解したら定期的な復習を止める」などと決めておけば、記憶の定着と新しい知識の習得を両立しやすくなります。

 

暗記が苦手な方は、分散学習の考え方を活用して、勉強の効率化を目指してみてください。

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