222(コラム)

都立高校入試への導入を検討。重要視される英語のスピーキング能力

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都立高校入試への導入を検討。重要視される英語のスピーキング能力

平成29年、東京都教育委員会は「東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書」を公表しました。平成29年7月に設置された東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会では、東京都立高等学校の入学者選抜における英語の「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の4技能のうち、特に「話すこと」の評価の在り方について検討を進め、その結果を報告書にまとめました。報告書では民間の資格・検定試験団体の知見を活用した上で、「話すこと」の検査の導入が有効だと提言されています。

 

「話すこと」が評価される検査に

現在の都立高等学校入学者選抜英語検査では、4技能のうち「話すこと」の検査は実施されていません。小中学校の状況を見てみると、都内の公立小学校では、小学校5・6年生は概ね1週間に1単位時間の外国語活動が実施され、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しむ環境が作られつつあります。中学校でも現行学習指導要領では「外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う」とされており、他の技能と同様に「話すこと」の指導が行われています。しかしその一方、都立高等学校入学者選抜で「話すこと」が評価されないため、学年が進むにつれて指導に影響を与えていることも指摘されています。平成28年9月に実施された「東京都英語教育戦略会議」では「都立高校入試において『話すこと』を含めた4技能を測定する検査の実施を検討すべき」という意見が挙がりました。さらに「全国的な学力調査」で4技能が評価されていることや、平成32年度以降(※予定)に実施される大学入学共通テストでも4技能が評価されることを受けて、「話すこと」の検査実施を含めた英語検査の改善が検討されました。

 

公表された報告書では、「民間の資格・検定試験は、『話すこと』を含めた4技能を総合的に評価するものとして社会的に認知され、一定の評価が定着している」ことから、活用が有効だと考えられています。しかし学習指導要領に準拠した内容を担保するという点で課題が残るため「東京都教育委員会と民間の資格・検定試験実施団体とが連携できる体制を構築し、学習指導要領に準拠した出題内容を担保すべきである」と指摘されています。複数の資格・検定試験の結果を比較し、互換性をとることが困難であることも課題として挙がっており、活用する試験を一本化することが望ましいと指摘されています。他にも、公平性に配慮して受験機会は各受験者で1回にすることや、当日受験できない生徒のために予備日を設定することなど、さまざまな形で改善が検討されています。

 

一部の学習塾ではスピーキング対策を実施

東京都の事例に見られるように、現在の高校受験の英語ではスピーキングが重視されており、一部の学習塾では、中学生を対象に英語のスピーキング対策を導入しています。例えば、タブレット端末を利用している塾では、ネイティブの発音と自分の発音を聞き比べたり、詳しい発音方法や口内の動きを動画で確認したりできます。別の学習塾では英検の級に応じたスカイプによるマンツーマン英会話レッスンを導入したりと、対策内容は塾によって異なります。

 

現在は、平成30年度に具体的検討及び検討事項公表、実現可能性や実施意義、妥当性等について調査や検討を行い、平成31年度以降にプレテストから一部実施、拡大実施という流れで導入を進める予定です。

 

英語のスピーキングは以前に増して注目される大事な技能です。その点を意識して、受験対策を進めましょう。

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