222(コラム)

ただ書き写すだけでは意味がない? 「考える力」を伸ばすノートの取り方

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ノートをとるとき、どんなことを意識する?

みなさんは、授業中にノートをとるとき、どんなことを意識していますか?先生が板書したこと、あるいは発言したことを書き留めるだけで精一杯になっている人もきっといることでしょう。板書量の多い先生や、ノートをとるのに十分な時間を与えてくれない先生の授業では、どうしても板書や発言を書くことに追われてしまいがちです。 また、特に女子によくみられるのが、見た目のきれいさへのこだわりです。多くの色を使い分け、ノートをカラフルにまとめる友人がきっとあなたの周囲にもいることでしょう。もしかすると、読んでいるあなた自身がそうかもしれませんね。 

ノートをとる目的とは

しかし、きちんと、きれいに書けばいいノートができあがるとはいえません。ノートの目的は大きく分けて2つあります。

1つは、授業の内容を文字に残し「見える化」して、復習に役立てることです。板書や先生の発言をノートにしっかり残していれば、それだけ授業内容を思い出しやすくなり、復習の効率もよくなります。

そしてもう1つは、「授業内容をかみくだいて理解し、自分の力に変えていく出発点にすること」です。実は、こちらのほうがより重要です。 目で見た、あるいは耳で聞いた情報をノートに書き留める、つまり手から文字として出力する過程では、脳のはたらきが重要になります。しっかり脳を活用し、目や耳からの情報をもとにして思考することで、初めて授業内容を理解し自分のものにすることができます。何も考えず、ただ目や耳からの情報をそのまま文字にするだけでは、脳を十分活用しているとはいえません。会議の書記ならただ書き写すだけでもいいのでしょうが、授業では書いた内容を理解し自分のものにしていくことが最も重要なのです。

自分の考えも記入しよう

そこでお勧めしたいのが、ノートをとる際、ただメモをとるだけではなく、自分の考えも併せて記入していくことです。 授業を聞きながら、しっかりと頭を使って考えてみましょう。きっと、分からないこと、疑問に思うこと、あるいは以前に習った内容との関連性などが頭に浮かぶはずです。そうした自分の考えを、板書の内容に付け加えて書いておきましょう。この過程で、あなたの脳はどんどん成長します。同じ授業を受けていても、ただ写すだけの生徒とは理解度も違ってきますし、考える習慣がつくので思考力も強化されます。それらが、さらなる学力のアップをも可能にしてくれるはずです。

錦織圭選手がトップ選手になった理由

実は、こうした方法を実践している人のひとりに、近年トップレベルで活躍するテニスの錦織圭選手がいます。 錦織選手がかつて松岡修造さんの指導を受けていたことは有名ですが、その松岡さんが錦織選手の試合の解説をしていた時に、錦織選手と他の子どもとの違いについて熱く語っていました。それによれば、松岡さんが指導していた子どもたちはテニスノートを毎日つけていたのですが、他の子どもたちがただコーチに指導された内容を書くだけだったのに対し、錦織選手はコーチの指導を受けて自分がどう思ったかを必ず書いていたということです。 つまり、コーチの指導を自分なりに考えて解釈し、それを次からのプレーに活かす能力を子どものころから身につけていたのです。それが、近年の大活躍を可能にしたひとつの要因だというわけです。

ノートの取り方ひとつで、成長のきっかけが生まれる

この例のように、ノートの取り方を少し変えるだけで、学力的にも人間的にも成長できるきっかけが生まれます。自分から考えることが苦手な人は、ここに書いたようなノートの取り方を実践することで思考法を変えられるかもしれません。ぜひ、試してみましょう。

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