222(コラム)

歴史をさまざまな角度から切り取る…… 『テーマ史』とは?

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歴史の入試問題は、特定のテーマに基づいて出題されることが多い歴史を学ぶとき、通常は教科書やテキストに書いてあるように、旧石器時代から順に各時代の出来事や人物などを学びます。このとき、それぞれの時代ごとに、政治制度→外交・社会経済→文化の順に学ぶことが多いようです。そのため、「平安時代には遣唐使が廃止された」といったように、どの時代に何があったか、という『時代重視』の見方・考え方になる傾向があります。つまり、初めて歴史を学ぶときには、頭の中は『時代重視』で組み立てられているのです。しかし、入試となると話は違います。入試問題の中には、外交史、文化史など、特定のテーマを中心に出題されているものが多くみられます。こうした、特定のテーマに注目した歴史の見方を『テーマ史』とよびます。  テーマ史の問題は要注意!テーマ史の問題が出題された場合、勉強不足の受験生は混乱しがちです。通常の歴史の学び方だと、時代ごとに学び、定期テストでもその時代に限定した出題が行われるので、たとえば「鎌倉時代の建造物といえば東大寺南大門」のような覚え方でも何とかなったりします。しかし、入試になると、建造物ばかりが出題のテーマになって、多数の建造物が一度に並べられることがあります。うろ覚えの受験生にとってはたまりません。記憶があいまいなので、「あれ、この2つの建物、どっちが鎌倉時代で、どっちが室町時代だったっけ……?」と混乱してしまうのです。  テーマごとに歴史を整理してみようこうした混乱を招く原因は、もちろん単純にきちんと覚えられていないのもあるでしょうが、それだけではありません。テーマに沿った整理ができていないと、テーマ史の問題にはなかなか対応できないのです。そこで、ぜひテーマごとに歴史を整理してみましょう。まずは、政治・文化・社会制度といった、よく出題されるテーマごとにまとめていきます。年表形式にするのも効果的です。また、文化史や社会制度史など、絵や写真がよく出題されるテーマの場合、そのコピーを貼りつけたりするのもよいでしょう。  ちょっと変わったテーマ史入試問題には、さまざまなテーマ史が出題されていて、中にはちょっと変わったものもあります。その一部をご紹介しましょう。近代オリンピックをテーマにした出題の場合、開催年に起こった出来事のほか、開催地の特徴など地理とからめた出題が行われる傾向にあります。2020年の東京オリンピック開催が決まった後、初めての入試となった2014年度入試でもさっそく出題例が確認されていますが、今後も要注意なテーマといえます。卑弥呼や推古天皇から始まって、北条政子、出雲の阿国、与謝野晶子など、女性がテーマになることもあります。また、私立中・高の問題では、学校のある地域の歴史や、学校そのものの歴史をテーマにした出題もよくみられます。過去問を見て、ちょっと変わったテーマの出題を行っている学校の場合は注意が必要でしょう。

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