222(コラム)

明日から使える、小論文テクニック【4】譲歩

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自分の考えだけを述べても、高評価にはならない?小論文では、あなたの考えを論理的に述べることが求められます。しかし、ただ自分の考えだけを述べればいいかというと、そうではありません。むしろ、自分の考えしか書いていないことはマイナスになる可能性もあるのです。私たちが生きる社会では、学校のテストの問題とは違い、正解が一つではないことがたくさんあります。多くの考えがある中で、状況に応じて、最適な意見を選んだり、様々な立場の意見を調整した上でまとめていかなければなりません。そのため、自分とは異なる考えに目を向け、尊重することや、論理的に説明し相手を納得させることが求められます。小論文ではそうした能力を持っているかも見られるため、自分の考えだけを書いていればいいというわけではないのです。  対立意見を取り上げる『譲歩』のテクニックそこで、小論文で使われるのが『譲歩』というテクニックです。あえて対立意見を取り上げつつ、欠点を指摘して論破することで、対立意見に配慮していること、そして自分の考えが他と比べて優れていることを示します。中でもよく用いられるのが、『確かにA、しかしB』という形です。Aには対立意見を、Bにはその欠点をそれぞれ挙げます。その後、自説の立場からより良い案を出すことで、対立意見を論破することができます。例えば、『年賀状を電子メールで送ることについてどう考えるか』という問題で、反対の立場に立って書く場合、「確かに、電子メールであれば手軽に送信できる。しかし、電子メールでは、紙の年賀状と異なり手書きの文字を送ることはできない。気持ちのこもった手書きのメッセージを届けられるという点で、年賀状にははがきのほうが適していると考える。」のように書くことで、対立意見に配慮しつつ、自分の考えのほうが優れていることを論理的に主張できます。  譲歩を取り入れる際の注意点しかし、譲歩を用いる際には注意も必要です。まだ書き慣れていない人の小論文では、譲歩を取り入れてみたものの、対立意見のほうを厚く書きすぎて自分の主張が弱まってしまっているものや、途中で主張の一貫性がなくなってしまっているものがしばしば見受けられます。最も重要な自分の主張がしっかり書けていないようでは、読む側にあなたの考えは伝わりません。譲歩を用いるのは、ある程度小論文に慣れ、自分の考えを一貫して主張できるようになってからでも遅くはありません。まずは、自分の主張がしっかり書けるよう練習を積みましょう。その上で、だんだん譲歩を取り入れていくべきでしょう。

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