222(コラム)

かんたんに記憶力を向上させる方法

c-20130531

誰でも記憶力のアップを目指していると思いますが、従来は繰り返しをすることで脳にインプットさせるというものがポピュラーでした。しかし、繰り返すことで記憶をインプットさせるというのは、あまり役に立たないかもしれません。  従来の記憶法がダメな理由何においても物事を覚えるのに、今でも頻繁に使われる方法の一つが「繰り返す」というものですが、実はさほど効果がないと言われています。そもそも記憶システムというものは、短期記憶と長期記憶から構成されています。しかし、この二重貯蔵モデルはあくまで過去の考えという意見も多くなってきました。 このモデルが本当だとすれば、繰り返し唱えたり書きなぐることによって、記憶したい情報を反復させれば、短期記憶から情報が失われることがないと言われていました。それと同時にその情報を長期記憶へと転送させることができるため、物事を脳に定着させるためには、やはり「繰り返す」という行為が鉄則だったわけです。しかし、情報を単に反復することに集中したとしても、必ずしもそれが記憶として定着するわけではないことがその後判明しています。 長期記憶させるためのしくみ現在はこのような「リピート」つまり繰り返すという行為は、維持リハーサル「maintenance rehearsal」(または1次リハーサル primary rehearsal)と呼ばれており、情報を短期記憶に一時的に保持させるに過ぎないと言われています。つまり、長期記憶に持っていくことは不可能であるということです。それに一度は誰でも繰り返す行為をしたことがあると思いますが、記憶技法は非常に面倒くさい方法といっても過言ではありません。情報を長期記憶に送るためには、同一の符号系列の単純な維持リハーサルはそこまで効果的ではないと言われています。長期記憶に送るためには、情報に対するイメージの構成や意味的処理によって既有知識と関連づける精緻化リハーサルが有効ということが分かっています。これは記憶したい情報を相互に関連づけをすることで、情報の意味づけを行うという意味があります。これによって、深い処理をしたことになり、長期記憶に持って行きやすくなるというものです。つまり、記憶力を向上させるためには、浅い処理を行うよりも、意味を考え、イメージすることによって、自分の経験と関連づけすることが大切です。 深い処理を行うことが習慣になり、慣れてくると記憶力が向上するわけです。では、どうしてこのような記憶技法が流行ることなく、浅い処理方法ばかりが語られるのか?それは深い処理を行う方法自体の難易度が高い方法だったりするからです。そして何よりも手間暇がかかるため、面倒な方法として確立されてしまったからです。 記憶力を高める「待ち時間」とは?最も記憶を向上させるためには、1.誰かに読み上げてもらった単語を、すぐに復唱する2.誰かに読み上げてもらった単語を、15秒間待ってから、復唱するこのどちらかになります。まずはどちらも試してみてください。 断然、2のやり方の方が、圧倒的に記憶に残ることだと思います。また、ここでの違いは「15秒間待つ」ことだけなのはお分かりのことだと思います。また、短期記憶に情報が保持される時間はかなり短いことがわかっています。これは、通常15秒(長くても30秒)程度と考えられています。つまり、それを超えて記憶を保持しようとすれば、情報を処理せざるを得ないということになります。ということは、記憶したい情報をただ流すのでなく、少しの間「持っておく」ことが重要となります。これによって情報処理プロセスを作動させることができるようになるのです。 

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