222(コラム)

音楽を聴きながら勉強するのは良くない?

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様々な勉強法がありますが、音楽を聴きながら勉強することは果たして良いのか?これは以前から物議が交わされてきた問題です。音楽を聴きながら勉強すると集中力の妨げになって効果的ではないという声もあれば、音楽を聴くことでモチベーションを高めることができるので効果的という声もあります。  しかし、最近の研究で明らかになったのは、音楽を聴きながら勉強することはよくないという結論でした。理由としては、バックグラウンド・ミュージック(BGM)によって記憶能力が損なわれるためです。これは新たな研究で明らかにされ、医学誌として有名な「Applied Cognitive Psychology(応用認知心理学)」オンライン版の7月20日号に掲載されています。  気になる今回の研究内容ですが、以下のとおりです。  1:まず被験者に提示された順番どおりに8種類の子音(consonant)を覚えるよう指示。2:この課題を、静かな環境、好きな音楽を聴く、嫌いな音楽を聴く、変化状態(ランダムな数字の羅列を聞く)、変化のない状態(「3、3、3、3」など同じ数字の羅列を聞く)という5種類の音環境の中で実施  その結果、被験者の記憶をアウトプットする能力が著しく低下したのは、好き嫌いを問わず音楽を聴いているときと、変化状態のときであることが判明したのです。  そして、もっとも正確に思い出すことができたのは、変化のない状態で記憶課題を実施したときであることも分かりました。これは間違いなく、音楽による影響があるものと考えていいでしょう。  今回の研究を行ったイギリスのウェールズ大学研究所(カーディフ)のNick Perham氏は次のように説明しています。  「音楽を聴いたときや変化状態のときに著しく成績が低かったのは、音響の変化が原因だと考えていい。これによって提示された項目の順番を覚えて思い出す能力が損なわれる」  そして次のようにも解説しています。「暗算でも、順序の情報を短時間記憶する能力が必要であり、同じように変化状態やBGMのある環境では成績に影響が生じる」  今回の研究で明らかになったのは、難しい知的作業をするときは静かな環境で行うことがなによりもベストであるということでしょう。実際に同研究所もそのような環境で作業をすることを勧めています。  しかし、音楽のジャンルにも影響されるのではないでしょうか。ヒーリング音楽のようなリラックスできるものであれば、そこまで悪影響を与えるものではないと思います。そして、好きな音楽であっても小音量で聴きながらの勉強であれば、大きな影響を与えないのではないでしょうか。  いずれにしても、今回の研究はBGMが知的作業にどのように影響するかを調べたものなので、音楽のジャンルによる影響が明らかになったわけではありません。それに音楽を聴きながら勉強をしたほうが効率がアップすると感じる人も多いのは事実です。今回の研究結果はあくまで参考として受け止めるのが一番かもしれません。  それに絶対に音楽を聴きながら勉強をしてはいけないという決まりもありませんので、あなたがもっとも勉強しやすい環境で着手すれば問題ないでしょう。実際にヒーリング音楽などを聴きながら勉強すると効率がアップするという結果もあります。次の新たな研究では音楽のジャンルにおける勉強への影響を調査してもらいたいところですね。  ただし、大音量で音楽を聴きながら勉強するのは迷惑になるので控えましょう。たとえ、それがイヤホンをしていても外部に音が漏れる可能性があるので注意しましょう。

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