オルタナティブ教育とは? 注目を集める教育方法のメリット・デメリット
注目を集める「オルタナティブ教育」
日本では、学校を長期間欠席する生徒の数が右肩上がりで増え続けているのが現状です。2024年度には約50万人もの小中学生が、何らかの理由で学校を長期間欠席しています。※
病欠の生徒も含まれる数字ではあるものの、子どもの学びを取り巻く環境の変化が加速しているといえるでしょう。
そのような環境の中で注目を集めているのが、従来の学校教育の枠外で多様な学びを実践する「オルタナティブ教育」です。
※出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
オルタナティブ教育とは
オルタナティブ教育とは、文部科学省が管轄する幼稚園や小学校、中学校などの教育施設(一条校/学校教育法第1条に基づく学校)以外で行われる教育のことです。
「代替教育」や「非伝統的な教育」などと呼ばれることもあります。
一条校は、文部科学省の定めるルールに則ってカリキュラムが組まれています。
一方で、オルタナティブ教育を行うスクールは文部科学省の管轄下にはないため、ルールにとらわれることなく、施設独自の理念や教育方針に基づく教育を行っているのが特徴です。
オルタナティブ教育の主な種類としては、次のような方法が挙げられます。
代表的なアプローチ1:モンテッソーリ教育
イタリアの医師マリア・モンテッソーリが提唱した教育法です。「自立心や責任感、思いやりを持ち、生涯学び続けることができる子どもを育てること」を目的にしています。
子どもが持つ自分を育てる力(自己教育力)を育てるために、子どもが自発的に学びやすい環境が整えられているのが特徴です。
代表的なアプローチ2:シュタイナー(ヴァルドルフ)教育
学力だけではなく、感性や創造力なども育てようとするのがシュタイナー教育の特徴です。
子どもの発達段階に合わせた学び方が重視されており、その時期の興味や能力に応じたプログラムが組まれます。
また、一般的な学校教育とは異なり、点数で順位を決めるようなテストはあまり行われません。
代表的なアプローチ3:サドベリー教育
固定の時間割がなく「何を学ぶか」を子ども自身が決めるのがサドベリー教育の特徴です。学校のルールも、子どもとスタッフが話し合って決めます。
子どもが興味を持ったことを学びやすい、学校運営に関わるため責任感や自主性が育まれるといった点がメリットです。
その反面、自ら学ぶ意欲がない子どもは適応できない可能性があります。
代表的なアプローチ4:レッジョ・エミリア教育
レッジョ・エミリア教育は「子どもは100の言葉を持つ」という考え方を大切にします。絵や音楽、身体表現など、子どもが自分を表す方法は無数にあるという発想です。
先生が一方的に教えるのではなく、子どものアイデアを記録し、対話しながら学びを広げます。
オルタナティブ教育のメリット
オルタナティブ教育の魅力は、子どもが「自分で選ぶ」経験を重ねられることです。「大人にやらされる学び」ではなく、「自分が今やりたいこと」に没頭する時間が増えることで、自己肯定感や主体性が育ちやすくなります。
多くのオルタナティブ教育では他者との協力や自由な発想を重視するため、創造力やコミュニケーション力といった非認知能力が伸びやすい点もメリットです。
また、オルタナティブ教育は文部科学省の定める学習指導要領に教育内容が縛られません。
柔軟なカリキュラムで、子どもの個性を育てることができます。
オルタナティブ教育のデメリット
オルタナティブ教育にはデメリットもあります。
1つ目が、法的に学校に通っている扱いになりにくい点です。オルタナティブ教育を行うスクールの多くは、文部科学省から認可されていないのが実情です。
法的には出席扱いとならないため、オルタナティブスクールを卒業しても、学校の卒業資格を得ることはできません。
そのため、学校法人として認可されている一部のスクールを除いて、地元の公立学校に在籍しながらスクールに通うことになります。
2つ目が費用面です。多くのオルタナティブスクールは公的な金銭支援を受けていないため、学費が高くなります。
また、小・中学生が中心で高校生以上を対象にしたスクールが少ない点や、スクールの数自体があまり多くない点も、デメリットといえます。
オルタナティブ教育は、子どもの個性に寄り添うための選択肢のひとつです。スクールごとにさまざまな教育方法を実践しているため、まずは情報を集めることから始めてみてはいかがでしょうか。