小さな子どもに見られる「鏡文字」

子どもが文字を書いた時に、「さ」が「ち」、「し」が「J」のように、左右に反転していることがあります。鏡に映したように左右反転していることから「鏡文字」と呼ばれるこの現象。

保護者の方は子どもが文字を書けるまで成長したことが嬉しい反面、いつも鏡文字を書いていると気になってしまうかもしれません。

 

鏡文字は日本の子どもだけではなく、世界中の子どもが書いているものです。

なぜ、子どもは鏡文字を書いてしまうのでしょうか。

 

子どもが鏡文字を書く原因

子どもが鏡文字を書く明確な原因はわかっていませんが、いくつか理由が考えられます。

 

1つめが、子どもが左右を把握できていないことです。上下に比べて左右の区別は難しいとされています。文字を書く時に左右を認識できず、文字が反転している可能性があります。

 

2つめが、文字を図形として認識していることです。小さな子どもは論理的に情報を処理する左脳が未発達で、イメージを司る右脳は活発に働いているとされています。

見た文字をイメージだけで処理してしまった結果、鏡文字になってしまうのです。

 

3つめが、文字を大まかに覚えていることです。例えば、「し」を「縦の棒で下は丸まっている」と認識している場合、「丸まっている方向は左右どちらか」まではとらえきれていません。

結果として、左右が反転する可能性があります。

 

4つめが、子どもが左利きであることです。文字の多くは時計回りに書くため、左手だと書きにくさを覚えます。

書きにくさを嫌がって、書きやすい方から文字を書いた結果、鏡文字になってしまうこともあるようです。

 

 

鏡文字が気になる時の対処法1:文字をたくさん見せる

鏡文字自体は、子どもが成長していく中で自然と直っていくものです。とはいえ、鏡文字が気になるという保護者の方もいらっしゃるでしょう。

 

そのような時は、子どもに文字をたくさん見せるのがおすすめです。正しい文字の形を子どもが認識することで、鏡文字が自然と直ることがあります。

お風呂場やトイレにひらがなの表を貼ったり、絵本を見せたりして、ひらがなに触れるタイミングを増やしていきましょう。

 

子どもが文字を書くことに慣れてきたら、形が似ている文字を並べて違いを探すゲームを取り入れると、似た文字と書き間違えることも防げます。

 

 

鏡文字が気になる時の対処法2:子どもと一緒に書いてみる

子どもと一緒に文字を書いてみるのもおすすめです。保護者の方が子どもにお手本を見せることで、正しい書き方を学ぶことができます。

 

特に、子どもが左利きの場合は、右手で文字を書く練習をさせることが鏡文字を直すきっかけになるかもしれません。

この時、左利きの人に通じやすい言葉で声掛けを行うことが大切です。

例として、「あ」や「お」の横棒を書く時を考えてみましょう。手の動かし方から、右利きの人は左から右に「線を引く」イメージが強いですが、左利きの人には「線を押す」などと伝えた方が理解しやすくなります。

 

 

鏡文字が気になる時の対処法3:左右を意識させる

子どもに左右を意識させるのも、鏡文字の対処法のひとつです。すぐに子どもが左右を区別できるようになるわけではありませんが、日常生活の中で左右を意識させることを心がけましょう。

日常的に「右にあるお皿を取って」などと声掛けしてみてはいかがでしょうか。

 

 

無理はさせずに自信を持たせることが大切

鏡文字は成長するうちに自然と直ることが多いため、無理に直する必要はありません。

無理に直そうとして「違うでしょ!」などと叱ってしまうと、子どもが文字を書くことを嫌いになってしまいます。

 

鏡文字になっていることを強く指摘したり、否定したりするのではなく、がんばって文字を書いたことを褒めてあげましょう。

子どもに自信を持たせたり、やる気を伸ばしたりすれば、自然と文字も正しく書けるようになっていきます。