侮れない大学受験の漢文

大学受験では、英語や社会、数学の勉強にどうしても時間を取られてしまいます。国語の一分野である漢文は、共通テストでしか使わない受験生もいるため、対策が後回しになりがちです。

 

しかし、漢文は安定した得点を狙える分野でもあります。

二次試験で漢文が必要になる場合はもちろん、共通テストでしか使わない受験生も、効率的に勉強を進めるのがおすすめです。

 

漢文は短期間で高得点が狙える!

数学や英語は、少し勉強しただけで高得点を取ることが難しい科目です。一方で、漢文は短期間でも高得点を狙うことができます。

 

漢文は暗記科目ですが、古文や英語と比べて覚えなければいけない暗記量が少ないです。

志望校のレベルによりますが、大学受験に必要な英単語の数は最低でも4,000~6,000字程度とされています。接頭辞や活用から意味を類推できるものもあるとはいえ、非常に多くの単語を覚えなければいけません。

一方で、漢文は重要な語句や句法を合わせても覚えるべきことは150ほどしかないとされています。

 

また、問題の難度が低い点も特徴です。共通テストのレベルであれば、基本ができていれば対応することができます。勉強さえしっかりとしていれば、点数としてしっかり表れるのが漢文なのです。

 

 

漢文の勉強法1:返り点や再読文字、漢字を覚える

漢文の勉強は、返り点や再読文字といった、漢文のルールを覚えることから始めましょう。このルールがわかっていないと、文章を読むことができません。

特に、よく出てくる再読文字はしっかりと暗記する必要があります。

 

また、基本的な漢字や単語を覚えることも大切です。とはいえ、覚えるべき単語の数は少ないうえに、漢字の中には現在も似た意味で使っているものがあるため、そこまで力を入れる必要はありません。

勉強中にわからなかった単語は、隙間時間で勉強しておくことをおすすめします。

 

 

漢文の勉強法2:句法(句形)を覚える

再読文字や漢字、単語などを覚えたら、句法(句形)を覚える必要があります。句法とは、漢文における文法のことです。

句法がわかっていないと、文章の意味を把握することができません。

 

入試では、返り点や送り仮名のない文章が出題されることもあります。そのような状況でも、どんな句法かを判断して書き下すことができ、意味がわかるようになるまで勉強しておくと安心です。

 

句法を覚える時は、音読を行うと良いでしょう。実際に声に出して読んでみることで、句法をリズムで覚えられます。

 

 

漢文の勉強法3:問題を解く

知識をインプットするだけだと、テスト本番で高得点を望むことはできません。句法をマスターしたら、演習問題に取り組むことも大切です。

問題を解く時は、登場人物の名前や人間関係、何についての文章かといった点を意識すると、内容を把握しやすくなります。

 

問題を解いた後は、どこが間違っていたのかを確認して、しっかりと復習することを心がけましょう。この時、解説と自分の訳のどこが違うか確認しておくと、知識が定着していない部分を一目で判断できます。

 

 

漢文ならではの知識を覚えておくのもおすすめ

漢文をたくさん読んで、漢文ならではの知識を覚えておくのもおすすめです。

例えば、具体的なエピソードを紹介した後に教訓を語るといったパターンは、漢文では定番の展開です。

そのようなパターンに慣れておけば、読解にかかる時間を減らすことができます。

 

 

勉強前に志望校の入試要項を確認しよう

前述のとおり、漢文は全ての大学で必須科目になっているわけではありません。文系学部でも、国語は現代文と古文だけで受験できるケースがあります。

 

また、難関大学の問題では基礎的な知識に加えて読解力を求められるなど、大学によって難易度もさまざまです。

事前に志望校の入試要項を確認して、漢文をどれくらい勉強しておけば良いのかを判断しておくことをおすすめします。

 

漢文は、他の科目に比べて短い勉強時間で成果が表れるという特徴があります。

結果が出やすい科目なので、共通テストでしか使わない方も勉強に取り組むことを心がけましょう。