オーバーラッピングとは? 英語力を鍛えるトレーニング方法
英語は聞く力と話す力を伸ばすことが大事
英語学習において「聞く・話す」力を伸ばしたいと感じている人は多いでしょう。
しかし、ただ教科書の文章を読んだり、単語を覚えたりするだけでは、それらの力はなかなか伸びていきません。
英語のリスニング力やスピーキング力を高めたい方は、オーバーラッピングというトレーニング方法を試してみるのがおすすめです。
オーバーラッピングとは
オーバーラッピングとは、教材のスクリプト(台本)を読みながら、流れてくる英語の音声に合わせて発声するトレーニング方法です。
オーバーラップ(重ねる)という言葉通り、音声とリズムを重ねるように発声を行います。
似た学習方法に「シャドーイング」がありますが、シャドーイングは英文を見ないで、聞こえた音声をそのまま発音する方法です。音声だけを手掛かりに発声しなければいけないため、シャドーイングは難度が高い上級者向けの学習方法といえます。
一方で、オーバーラッピングは英文が手元にあるため、何も見ずに音声を真似るシャドーイングは難しい方でも取り組みやすいでしょう。
オーバーラッピングの効果1:リスニング力の向上
オーバーラッピングでは、音声を聞き取って発声することが求められます。スクリプトを見ながら行えるとはいえ、正確に発声するには正しい音を聞き取れなければいけません。
集中しながら音声を聞き取ることで、リスニング力の向上が期待できます。
また、シャドーイングとは異なり、音声と文字を結びつけやすい点もメリットです。
英語には、2つの音がくっついたり、音が省略されたりする音声変化(リエゾン)という法則があります。
音声を聞くだけだと、それがどのような単語なのかわからなくなってしまうかもしれません。オーバーラッピングはスクリプトを見ながら行うため、音と文字を結びつけて覚えることができます。
オーバーラッピングの効果2:スピーキング力の向上
オーバーラッピングは、聞いた音声を実際に自分でも発声するトレーニングです。実際の英語のリズムやイントネーションを繰り返し練習することで、スピーキング力の向上につながります。
ネイティブの英語話者が使うイディオムなど、日常会話で使われることが多い表現を耳にする機会が増やせる点もメリットです。
オーバーラッピングを行うことで、ネイティブが使う自然な英語を学ぶことができます。
オーバーラッピングのやり方
オーバーラッピングを行うには、教材となる英語音声とスクリプトが必要です。教材は、学校の教科書のCDや英語学習アプリ、YouTubeの英語教材など、身近なもので構いません。
教材を用意したら、最初は英語のスクリプトを何度か黙読してみてください。知らない単語などをあらかじめ調べておけば、スムーズに発声しやすくなります。
音声を何度か聞いてみて、聞き取れない場所がないか確認しておくことも大切です。
その後、スクリプトを見ながら音声に合わせて声を出して読んでいきます。音声と自分の声がぴったり重なるように意識しましょう。英語独特のリズムやイントネーション、強弱をできるだけ真似することがポイントです。
効果的にオーバーラッピングを進めるコツ
オーバーラッピングは、自分のレベルに合った教材で行うことが大切です。簡単すぎるものだと効果が期待できず、レベルが高すぎるものだと挫折する恐れがあります。
最初はできない場所があったとしても、繰り返し練習して慣れていきましょう。1回で完璧に発声できる場合は、教材のレベルが合っていない可能性が高いです。
発声する際は、発音やアクセントに意識を向けて、しっかり音を聞くこともポイントです。
音声のスピードについていけない場合は、再生速度を落として聞いてみるのも良いでしょう。
また、自分の声を録音して、聞き返すようにしましょう。録音した自分の発声を聞くことで、発音がずれていないか、リズムが合っているかといった点を客観的にチェックできます。
自分の癖を知れば、その後の勉強を効率的に進めることが可能です。
オーバーラッピングは、英語のリスニングとスピーキング力を効率的に伸ばすことができるトレーニング法です。
英語力を本気で伸ばしたいと考えている方は、オーバーラッピングを始めてみてはいかがでしょうか。