注目を集める「空間認識能力」

スマートフォンやタブレットの普及により、子どもの遊び方は昔と今で変わりつつあります。そのような中で、能力の低下が危惧されているのが「空間認識能力(空間認知能力)」です。

日常生活はもちろん、運動や勉強などでも生かされているものですが、具体的にどのような能力なのでしょうか。

 

空間認識能力とは?

空間認識能力とは、物の動きや形、位置関係といった情報を、素早く正確に把握する能力のことです。空間把握能力や空間認知能力などと呼ばれることもあります。

 

地図を見て現在地や行き先を判断する、相手にボールを投げる、図面から完成形を想像するなどが、空間認識能力の例です。

個人差があるため一概にいうことはできませんが、一般的に空間認識能力は3歳頃から少しずつ高まっていき、10歳を過ぎた頃に完成するとされています。

 

ご紹介した例からもわかるように、空間認識能力は日常のさまざまなシーンで発揮される能力です。空間認識能力が低いと、道に迷ったり、何かにぶつかったりといったトラブルに巻き込まれることが多くなる可能性があります。

 

 

空間認識能力が高い子どもの3つの特徴

空間認識能力が高い子どもには、次のような特徴があります。

 

1つ目が、物の構造を正確に理解できる点です。パズルやブロック遊びで形を合わせるのが得意な子は、頭の中で物の形や向きを的確にイメージできています。

 

2つ目が、運動が得意という点です。

ボールを投げたり、受け取ったりする動作は、ボールの動きを把握したうえで、キャッチするタイミングまで予測しなければいけません。

空間認識能力に優れていると、これらの動きをスムーズに行えるため、結果として運動神経が良くなります。

 

3つ目が、図形問題への理解が早い点です。算数や数学の図形問題では、空間的なイメージ力が求められます。空間認識能力があると、立体を頭の中で動かしたり、平面に展開したりするのが得意になります。

 

 

子どもの空間認識能力の鍛え方1:具体的な位置を意識した声掛け

子どもの空間認識能力は、家庭内のコミュニケーションや日々の遊びで鍛えることができます。

 

子どもに話しかける時は、「右にあるよ」「下から2段目だよ」など、具体的な位置を伝える意識を持ちましょう。「あれを取って」のように抽象的に伝えるのではなく、「テーブルの右側にある大きなお皿を取って」といった形で詳細に指示をした方が、子どもは位置や大きさなどを考えるようになります。

 

 

子どもの空間認識能力の鍛え方2:お絵描き

お絵描きも、空間認識力のトレーニングとして効果的です。画用紙に何かを描く時、子どもは無意識に「どこに何を配置するか」を考えています。

描くものの大きさや距離感を考えることで、楽しみながら空間認識力を身につけていくことが可能です。

 

 

子どもの空間認識能力の鍛え方3:外遊び

外での遊びも、空間認識能力を高めるチャンスです。鬼ごっこやかくれんぼ、ボール遊びといった外遊びには、自分と周囲のものとの距離を判断する場面が多くあります。

 

体を動かす中でバランス感覚や体力など、空間認識能力以外の能力を高められるのも、外遊びのメリットです。

 

 

子どもの空間認識能力の鍛え方4:ブロック・積み木遊び

ブロックや積み木遊びもおすすめです。さまざまな形のブロックを積み上げたり、組み合わせたりする中で、「どのパーツがどこに入るか」「崩れないようにどう積むか」など、空間を立体的に捉える力が育まれていきます。

 

完成したら、子どもに「どのように組み立てたのか」を話してもらうのも良いでしょう。何を、どのようにして作ったのか説明させることで、イメージと言葉を結びつける力も伸びていきます。

 

 

遊びの中で子どもの能力を育てよう

空間認識能力は、特別な教材や習いごとがなくても、日常の声掛けや遊びの中で十分に育てていくことができます。大切なのは、子どもの「やってみたい!」という気持ちを尊重し、自由に試行錯誤させることです。

 

親子で遊びながら、子どもがのびのびと空間感覚を身につけていく様子を見守っていきましょう。空間認識能力は、日常生活はもちろん、さまざまな場面で大きな力となってくれるはずです。