子どものうちから育てたいコミュニケーション能力

社会で生きていく中で、他人との関わりを完全に断つことはできません。良好な対人関係を築き、円滑に物事を進めるために欠かせないのが「コミュニケーション力」です。

人と関わる力は、友達との関係づくりや学校生活はもちろん、将来の社会生活にも大きく影響します。

 

特に、学校の先生やクラスメイトなど、家族以外の人との関わりが増える小学生は、自分の考えを言葉にしたり、相手の気持ちを想像したりする力を育む大切な時期です。

子どもの話す力を鍛えるには、どうすれば良いのでしょうか。

 

コミュニケーション能力が重要な理由

情報があふれる現代社会において、「何をどう伝えるか」「相手の話をどう受け止めるか」といった力は、人間関係を築くための土台になります。

コミュニケーション能力に優れているということは、人に物事を伝えたり、話を聞いたりする能力が高いということです。友達との会話はもちろん、受験や就職活動など、さまざまなシーンで役に立ちます。

 

自分の考えを上手に伝えたり、相手の気持ちを考えて発言したりすることで、人間関係のトラブルを防ぎやすくなるのもメリットです。

 

 

話を聞く意識を持たせることが大事

大前提として、コミュニケーション能力とは「他人と意思疎通をする力」のことです。ただ自分のことを話すのが上手なだけでは、コミュニケーション能力が高いとはいえません。

 

例えば、会話中にスマートフォンを操作しながら生返事を繰り返すような人は、どれだけ話が上手だとしても、相手に不信感を持たれてしまうでしょう。

自分の話を一方的にするのではなく、人の話をしっかり聞く意識を子どもに持たせることが大切です。

 

相手の話を聞く際に、相手の目を見ることや話を途中で遮らないこと、しっかり反応することなどを意識させると、子どもも実感として身につけやすくなります。

 

また、子どもに「今日学校であったことや、友達と話したことを後で教えてね」などと声かけするのも有効です。

「帰ったらお母さん・お父さんに話さないと」という気持ちを持つことで、先生や友達の話をしっかり聞こうとする意識が芽生えます。

 

 

子どもに質問して考えさせる

自分の考えを言葉にする時間を作ることも大切です。

「学校で面白いことはあった?」「どうしてそれは面白かったの?」など、子どもとの会話にさまざまな質問を盛り込んでみましょう。返答を考える中で、子どもは少しずつ自分の思いや意見を言葉にできるようになります。

 

また、子どもの話にしっかり耳を傾けることが、親子間の信頼関係の構築にもつながるでしょう。

 

 

本や映画に触れるのもおすすめ

本や映画といった物語に触れさせるのもおすすめです。さまざまな人間関係や価値観が描かれている物語に触れることは、相手の気持ちを想像する力を育てるのに役立ちます。

 

また、語彙力や表現力を育てられるのも、本や映画に触れるメリットです。知っている言葉や表現が増えるほど、自分の気持ちをより正確に伝えられるようになります。

 

 

子どもに命令や否定をするのはNG

子どもとコミュニケーションを取る時に「早くしなさい」といった強い言葉を使うのは避けましょう。命令されたり、否定されたりし続けると、子どもが「いってもどうせ怒られるから」などと感じて、話すことに対して消極的になってしまいます。

 

コミュニケーションは、会話を通じてお互いを理解することが基本です。

できるだけ子どもの気持ちを尊重し、子どもの言葉は最後までしっかり聞いてあげましょう。

 

 

親も子どもとの会話を楽しむことが大切

子どものコミュニケーション力を育てるには、家庭での会話が欠かせません。食事の時間や寝る前のタイミングなどに、子どもと向き合って話す習慣があるだけで、コミュニケーション力の土台は育ちます。

 

親が楽しそうに話したり、聞いたりしている姿は、子どもにとって一番のお手本です。「人と話すことは面白いこと」と子どもが感じられるような時間を、家庭内に取り入れていきましょう。