親子を悩ます「小4の壁」とは? 問題点と対処法の例

親子を悩ませる「小4の壁」
小学4年生になると、勉強や人間関係にさまざまな問題が起こるようになります。
「勉強についていけない」「居場所がない」など、小学4年生の頃にさまざまな困難に直面し、不安や劣等感を抱いてしまう問題は「小4の壁」と呼ばれます。
小4の壁は、子どもの発達状況や家庭環境、社会状況とも深く関わる問題です。どのように対処すれば良いのか、不安に感じる保護者の方も多くいらっしゃるでしょう。
小4の壁問題に対処するには、問題の原因をしっかりと認識することが大切です。
小4の壁の問題1:勉強でつまずく
小学4年生になると、勉強する内容が急激に難しくなります。抽象的な物事を考える力や論理的思考が求められるようになり、勉強の得意・不得意が現れやすい時期です。
授業の進むスピードも上がり、わからないことやできないことが増えた結果、子どもがやる気を失ってしまう可能性があります。
また、中学受験の準備を始めるのも小学4年生頃です。受験勉強をしている子との学力の差が広がり、劣等感を覚えることもあります。
小4の壁の問題2:放課後の居場所がない
放課後に子どもを見てくれる学童保育は、低学年の子どもが中心になります。小学4年生以上を受け入れている学童保育もあるとはいえ、学童の待機児童数は小学4年生が最も多いのが実情です。※
受け入れ先がない、友達がいないなどの理由で学童をやめた結果、放課後の居場所がなくなってしまう可能性があります。共働き家庭にとっては、特に大きな問題といえるでしょう。
※出典:厚生労働省「令和4年(2022年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和4年(2022年)5月1日現在)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29856.html
小4の壁の問題3:他人との関係性の変化
小学4年生頃になると、ある程度友人関係が固まってくるものです。友達意識が高まることではあるものの、友達に依存したり、仲間外れにしたりという行動が見られるなど、人間関係のトラブルにつながる恐れがあります。
また、自分を客観視する能力が身につくことで、自分がどう思われているのか気にするようになります。劣等感を覚えたり、自己肯定感が下がったりする恐れがある点も、小4の壁の問題です。
子どもを尊重することが一番の対処法
小4の壁に直面した時に、保護者の方には何ができるのでしょうか。
一番の対処方法は、子どもを尊重してあげることです。頭ごなしに叱っても、子どもは余計に反発してしまいます。
親の意見を押し付けるのではなく、子どもの考えをしっかり受け入れる姿勢を見せることが大切です。
具体的に褒めることも大事
積極的に子どもの褒めてあげることも大切です。この時、結果だけを褒めるのではなく、がんばっていた過程を具体的に褒めることを心がけてください。
「〇点を取れてすごいね」ではなく「算数は苦手なのに、〇点も取れてがんばったね」など、どこが良かったのかを伝えてあげることがポイントです。具体的に褒めることで、子どもの自己肯定感を上げることができます。
自分の子どもだからこそ、劣っている部分に目が向きがちですが「○○君はできるのに」などと、他の子どもと比較するような声掛けは厳禁です。
家庭でできる勉強のサポート
勉強でつまずくと、日常生活にも大きな影響を及ぼす恐れがあります。家庭でも、できる限りのサポートを行うことが大切です。
特に、図形や分数などの学習が始まる算数は、つまずきやすい傾向にあります。応用問題で子どもがつまずいている時は、基礎から学習させることがポイントです。
抽象的な概念をイメージしにくい時は、図やイラストなどを活用して、視覚的に問題を説明してあげるのも有効です。
小4の壁は、長く続くものではありません。子どもの成長に伴い、徐々に解決していくものです。成長の過程だと考え、長い目で見てあげましょう。