222(コラム)

「大学入試英語成績提供システム」の概要と「英語民間試験」の今後

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大学入試改革の目玉

2020年度大学入試(2021年1月に実施)より、大学入試改革の一環として、従来の「大学入試センター試験」は「大学入学共通テスト」に変更されます。

この大学入試改革の目玉として「大学入試英語成績提供システム」の導入が話題となっていましたが、2019年11月に文部科学省は導入の延期を発表し、一部の混乱を招く事態となっています。

 

「大学入試英語成績提供システム」とは?

「大学入試英語成績提供システム」は、受験生は大学入学共通テストの前に特定の資格試験(英検・TOEIC・TOEFLなど)を受験し、その採点結果を大学側が英語の成績として利用するという制度です。

 

従来のセンター試験では「英語4技能」と呼ばれる「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」を判定するのが難しく、世界に通用する英語力を身につけるために、大学入試において英語4技能をバランス良く判定することが必要であるという考え方がありました。

 

とはいえ、大学入試センターだけで受験者の英語4技能を評価するのは困難です。そこで民間の英語資格・検定試験を利用して適切に評価しようというのが、大学入試英語成績提供システムの導入の狙いです。

 

 

延期となった「大学入試英語成績提供システム」

受験生は、大学入試英語成績提供システムのために検定試験の予約申込などの準備を進めていましたが、前述の通り2019年11月に延期の発表がありました。

 

延期の理由としては、民間の資格・検定試験実施団体との連携・調整が不十分なこと、受験料が受験者家族の負担増を招くこと、試験会場が都市に集中しているため地域格差が生じる可能性があることなどが挙げられています。

 

現時点では、延期予定時期を2024年度(2025年1月に実施の入試)としていますが、今後の見通しは不透明な状況です。

 

 

一部の大学では「英語民間試験」が採用される?

大学入学共通テストにおいて「大学入試英語成績提供システム」の採用は見送られましたが、大学によって動きに違いが見られます。中には、独自に民間の英語資格・検定試験の結果を学力検査に利用する大学も存在するので、事前に確認が必要です。

 

例えば国立の千葉大学では、一般選抜と総合型選抜では、「大学入試英語成績提供システム」は導入延期のため利用しないとしていますが、個別学力検査においては、従来から民間の英語資格・検定試験の結果が利用されてきました。そのため、9学部においては、英語民間試験の結果を活用すると発表しています。

 

その他の大学でも、「英語民間試験」の得点を評価の対象とするなど、英語民間試験の採用を進める動きも見られます。2024年度の導入予定を待たずに、大学独自に英語民間試験の結果を活用する可能性もあるため、受験生は志望校の動きを把握し、早い段階からの準備が必要になるでしょう。

 

 

これからの受験生は何を準備すべきか?

2024年度からの採用が予定されている「大学入試英語成績提供システム」に際して、これからの受験生はどのような準備をしていけば良いのでしょうか。

 

まず「英語4技能」に関して、意識的に対策を講じていくことが重要です。

 

2020年度の大学入学共通テストでは、「読む(リーディング)」と「聞く(リスニング)」の配点比率が1:1となり、従来以上にリスニング力が重視される内容に変わります。

 

日本人は特に「話す(スピーキング)」と「書く(ライティング)」の能力が低いとされており、これは従来の日本の英語教育のあり方が影響していると言われています。

「大学入試英語成績提供システム」では「話す(スピーキング)」と「書く(ライティング)」についても評価の対象となるため、なるべく早い段階からの対策が求められるでしょう。

 

また試験慣れしておくために、英検やTOEIC、TOEFLなどの英語民間試験を何度か受験しておくのも有効です。

 

先行きが見えない状態ですが、今後も「大学入試英語成績提供システム」の動向に気を配り、万全な対策をとるようにしましょう。

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