222(コラム)

社会の期待度が高まる理系。高校での文系理系のクラスはどう選ぶ

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自分が将来就きたい職業で選ぶのが基本

 

一般に高校普通科では、2年生または3年生に進級する際、文系クラスに進むか理系クラスに進むかの「文理選択」を迫られます。

中学から高校に進学するクラス自体が、普通科の理系クラスという生徒もいるでしょう。その場合は、志望高校を選ぶ際に文理選択が必要になります。

 

文理選択は将来就きたい職業や進学を希望する大学学部を見据えた選択ですが、自分は将来どんな職業に就きたいのか、大学に進学して何を学びたいのか、決めかねている人は少なくないでしょう。

しかし、高校の文系クラスと理系クラスのカリキュラムは大きく異なります。高校では原則全教科を学ぶのが理想とはいうものの、現実には科目により力の入れ方が大きく違ってきます。ここでミスしてしまうと後々挽回するのが大変です。

 

 

職業に直結するケースが多い理系の学部

 

文理選択で迷う余地があまりないのが、関連する大学で学ぶことを前提に得られる、国家資格を必要とする職業を目指す場合です。それは特に理系の大学で厳格です。

例えば、医師や歯科医師、獣医師、薬剤師といった職業は、関連する大学を卒業して国家試験に合格しなければその職業に就くことができません。そのため、高校では理系クラスを選択しましょう。

同じ国家資格が必要な職業では、管理栄養士や看護師も、関連する教育機関で学ぶことが不可欠。ただ、受験科目の数学の範囲が数学Ⅰ・数学Aまでが多いので、文系クラスでも受験は可能です。

 

国家資格こそ求められないものの、理系の学部には職業と直結しているケースが少なくありません。電気や機械といった分野のエンジニアになるには工学分野の学科で学ぶことが必要ですし、AIなどソフトウェア開発の技術者を目指す場合も同じです。

入試では数学Ⅱ・数学Bや物理などが課されますので、高校では理系クラスを選択する必要があります。

 

 

公務員、法曹界に進むなら文系クラスを選択

 

文系の国家資格ではどうでしょうか。代表的なものとして司法試験(弁護士、裁判官、検事)、公認会計士、税理士があります。弁護士なら法学部、公認会計士、税理士なら経済学部や商学部に進学して国家試験に挑戦するのが一般的。高校では文系クラスを選ぶことになります。

しかし、これらの資格は関連する大学を卒業することがマストではありません。Wスクールで学び、在学中に合格する例が少なくありませんし、理系学部で学んで司法試験に合格する例もあります。

 

国家公務員や地方公務員など、公務員になるのも文系クラスと考えられます。例えば国家公務員の場合、国が行う公務員試験に合格することが必要です。

各省庁で行政官として働くには法律の知識が必要になるので法学部が、外交官になるには外国語に堪能なことが求められるので外国語学部で学んでいた方が試験に合格しやすいでしょう。

 

 

自分の得意、不得意科目から文理選択する際の注意点

 

もっとも多いのは、自分の得意、不得意科目を念頭に文理選択するケースではないでしょうか。好きな科目、得意な科目を伸ばせるクラスに進んだ方が、結果的に学力を伸ばせる可能性は高いので、受験でも好結果につながると言えます。

 

ただ、それは自分が将来就きたい職業と一致するものか、再検討してください。単に数学や物理が苦手だから、文系クラスを選んではいないでしょうか。私立の経済学部でも、入試で数学が課されるケースがあります。

 

最近、文部科学省が全国の国立大学に対して教員養成系や人文社会科学系の廃止や転換を促す方針を示したことが話題になりました。大学全体としても理系や文理融合の学部が増えており、間口も広くなっています。

職業に直結した学部だけが学問の領域ではありませんが、社会全体としては理系への期待度が高いのが否めない事実であることも理解しておきましょう。

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