222(コラム)

現高校2年生必見! 今から始める2021年からの「大学入学共通テスト」対策

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初年度以降も軌道修正による混乱の可能性も

 

現在の大学入試センター試験に代わる新しい「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)が、2020年度からスタートします。実施は2021年1月からで、2019年時点の高校2年生から対象になります。

すでに2017年と2018年の2回、試行調査(プレテスト)が実施され、センター試験との相違点も明らかになってきました。

 

現高校2年生にとってはまだ先の印象があるかもしれませんが、実施まで1年半を切っていることを考えるともう余裕はありません。特に外国語科目のうち「英語」は、民間の資格・検定試験の活用が謳われ、前倒しで準備を始める必要があります。

 

現高校1年生や中学生も他人ごとではないと考えてください。過去の事例からいって、新しいテストが導入されると定着するまでの数年間は軌道修正が繰り返されることが多く、混乱が避けられない可能性があります。今から情報収集のアンテナを張っておくことが大事です。

 

以下では、大学入試センターの資料をもとに、共通テストの主な変更点とその対策についてまとめました。

 

 

思考力、判断力、表現力を発揮して解く問題が出題される

 

新しい共通テストでは、高校教育の中で身に付けた従来の知識・技能に加えて、思考力や判断力、表現力を問う問題作成が行われます。

これについて大学入試センターは「高等学校学習指導要領において育成をすることを目指す資質・能力を踏まえ、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視する」と述べています。

 

さらに「どのように学ぶか」を踏まえた場面設定として、高校での「主体的・対話的で深い学び」を実現するため、「授業において生徒が学習する場面や、社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータ等を基に考察する場面など、学習の過程を意識した問題の場面設定を重視する」と説明しています。

 

公式や知識の暗記だけで解ける問題は抑えられ、高校で学んだ知識・技能をベースに、深い理解を問う実践的な問題が出題されるのです。

実際、過去2回のプレテストでも、複数の資料を読み込み理解したうえで回答する問題が多くの教科で出題されています。こうした問題では単なる知識ではない、思考力や判断力が試されます。

 

また、マーク式問題でも、センター試験が一問一答形式だったのに対し、プレテストでは複数の選択肢の中から、当てはまる回答をすべてマークしなければ正解にならない問題が出題されました。山勘でマークしたら正解だった、といったラッキーな得点は期待できません。

 

こうした出題に対応するには、共通テストの出題傾向を踏まえた問題集を多数解いて、慣れておくのが早道です。出題の傾向が分かればそれほど恐れる必要はありません。

高校での授業でも、暗記にエネルギーを使うのでなく、それぞれの知識が有機的に関係しながら体系づけられている背景も、理解するように努めましょう。それには教科書を何度も繰り返し読むとともに、資料などにも目を通し、自分なりにチャートなどを作ってみてはどうでしょうか。

 

 

英語は4技能を問うとともに、民間の資格検定試験も導入

 

英語の大改革が行われるのも共通テストのポイントです。センター試験では、「聞く、読む」の2技能を中心に出題されてきましたが、共通テストでは、民間の資格・検定試験なども活用することで「話す、書く」を加えた4技能が試されることになっています。

 

各大学は共通テストでの英語の得点と、民間が実施する資格・検定試験の結果のいずれか、またはその両方を利用することができます。

一方、受験生は、高校3年生の4月~12月までの間に受けた2回までの資格・検定試験の結果が大学に提供されます。

 

そのため、資格・検定試験対策は共通テストに先駆けて取り組む必要があります。また、英語の共通テスト対策としては、4技能をバランス良く学習してください。特に苦手な人が多いリスニングやスピーキングは市販の教材も多数販売されていますので、チャレンジしてみてはどうでしょうか。

 

 

国語と数学Ⅰで記述式問題を導入。2025年からは社会や理科にも

 

プレテストでは、国語と数学Ⅰでそれぞれ3問の記述式問題を導入されています。国語では20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する問題がそれぞれ1問ずつ出題されました。

数学Ⅰでは、数式を記述する問題や問題解決のための方法を短文で記述する問題などが3問出題されています。

さらに2025年1月の共通テストからは、社会や理科にも記述式問題を導入する方針が打ち出されています。

 

記述式問題では、学習した知識を活用して端的に表現する力が試されます。これも日頃から練習していなくては、本番で実力を発揮できません。誤字脱字がある、筆跡が判読できないほど汚いのでは減点の対象になります。スマホを使ってではなく、手書きで短文をまとめる訓練をしておきましょう。

 

 

出典:「『大学入学共通テスト』における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について」(独立行政法人大学入試センター)

https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30.html

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