222(コラム)

保護者も知っておきたい「高大連携」の中身。学校選びのポイントに

c-20190927

キャリア教育の一環として大きなメリット

 

大学の付属校といえば、「付属校」「系属校」「準付属校」といった中高一貫校との強い繋がりが思い浮かびますが、最近は「高大連携」という大学と高校との新しい結びつきが受験生の子どもを持つ保護者からも注目されています。

 

高大連携とは、文部科学省の中央教育審議会の提言による「高等学校と大学との接続における一人一人の能力を伸ばすための連携」が発展したものです。

大学進学率の上昇に伴い、高校普通科へ通う生徒が増加する反面、大学に進学して何を学べばよいのか見付けられない生徒が増えたことが問題化しました。そこで、大学から高校に講師を派遣して講演を行ったり、高校の生徒が大学の講義を受けたりする中で、大学で学ぶ目的を見付けてもらい高校教育から大学教育へ円滑な移行を図ることが、高大連携の狙いでした。

 

最近、高大連携が注目されている背景には、私立大学の定員厳格化があります。2016年度以降、政府が打ち出したこの方針により、都内私立大学の難易度が軒並みアップ。子どもの将来を心配する保護者が、大学付属校だけではなく、高大連携に取り組んでいる高校や中高一貫校にも注目するようになったのです。

 

高大連携のメリットは高校と大学の双方にあります。高校生にとっては、高校での出前授業や大学の講義を受けることで、将来の進路や大学で学ぶ目的を見付けやすくなります。また、学部・学科を限定される「指定校制度」と比べ、幅広い学部学科から進路を選べることも有利です。

一方、大学にとっては少子化により18歳人口が減少する中で、目的意識を持った入学者を確保できることや、付属校を運営するような経営面での負担がないということが挙げられます。

 

 

東京女子大は4女子校と、麹町学園女子は5大学と連携

 

特に高大連携に積極的なのは、私立の女子大学と女子の中高一貫校です。中でも私立女子大の名門校である東京女子大学は、麹町学園女子、玉川聖学院、桐朋女子、横浜女学院の4校と連携しています。

このほか、共立女子大学が麹町学園女子と、女子栄養大学も麹町学園女子と連携。女子大以外では、成城大学が麹町学園女子と、東洋大学が麹町学園女子と、法政大学が三輪田学園と、昭和大学が森村学園と、明海大学が富士見丘と、それぞれ連携しています。

 

女子の中高一貫校は、女子の進路として人気のある外国語系や国際系、看護系、栄養系といった学部・学科を擁している大学と提携していることが多く、高大連携は将来進むキャリア教育の一環として大いに利点があります。

 

女子の中高一貫校で高大連携を積極的に推進しているのが麹町学園女子です。前述したように東京女子大学、共立女子大学、東洋大学、女子栄養大学、成城大学の5校と連携。それぞれの大学の「高大連携校進学基準」を設けています。

さらに「東洋大学グローバルコースの大学連携講座」を開設。高校1年次から頻繁に東洋大学キャンパスを訪問するほか、東洋大学教授陣による出前授業も実施しています。

 

 

都内公立高校でも有力国公立大学との間で連携がスタート

 

高大連携は私立の中高一貫校だけではなく、公立高校でも始まっています。東京都教育委員会は、都内の東京外国語大学をはじめ、電気通信大学、東京農工大学、首都大学東京、東京学芸大学といった国公立大学と協定を締結。高大連携に乗り出しています。

千葉県教育委員会でも、県内公立高校と国公立大学、私立大学との連携を進めています。

 

なお、大学でもっとも幅広く高大連携を推進しているのは神奈川大学です。神奈川県立高校61校、横浜市立高校4校、川崎市立高校3校、横須賀市立高校1校、私立高校13校のほか、東京都都立高校2校、都内私立高校2校、静岡県立高校1校、富士市立高校1校と連携しています。

 

高校、大学双方にメリットの大きい「高大連携」は、今後更に拡大していくものと考えられ、高校選びの大きなポイントになるのではないでしょうか。

 

出典:文部科学省ホームページ(http://www.mext.go.jp/)

お電話でのお問い合わせ:0120-121-864 お電話でのお問い合わせ:0120-121-864
  • 無料体験授業お申し込み
  • 資料請求・お問い合わせ