222(コラム)

「食育」の手引き書、文科省の「食に関する指導の手引」の第二次改訂版の注目ポイント

c-20190920

学習指導要領の改訂や子どもを取り巻く食の変化に対応

 

学校教育の中での「食育」。文部科学省はこのほど、その基本となる「食に関する指導の手引」の第二次改訂版を公表しました。

2020年からの学習指導要領の改訂や子どもを取り巻く食の変化に対応したもので、「学校における食育の必要性」や「食に関する指導の目標」、「食に関する指導の全体計画」、「食に関する指導の基本的な考え方や指導方法」、「食育の評価」などについてまとめています。

 

改訂のポイントは、①食に関する資質・能力を踏まえた指導の目標を明示、②「食に関する指導に係る全体計画」の作成の必要性と手順・内容、③食に関する指導の内容の三体系と栄養教諭の役割、④食育の推進に対する評価の充実の4つあります。

 

この中で、保護者の方に注目してもらいたいのが「①食に関する資質・能力を踏まえた指導の目標を明示」に関連する第1章第6節「学校における食育の推進」です。

今回、食に関する指導がさらに実践しやすいように、下記の6つの「食育の視点」を提示。さらにそれぞれを〈知識・技能〉〈思考力・判断力・表現力等〉〈学びに向かう力・人間性等〉の3つの柱に分けて再整理しています。

 

食育の視点

◇食事の重要性、食事の喜び、楽しさを理解する。【食事の重要性】

◇心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事のとり方を理解し、自ら管理していく能力を身に付ける。【心身の健康】

◇正しい知識・情報に基づいて、食品の品質及び安全性等について自ら判断できる能力を身に付ける。【食品を選択する能力】

◇食べ物を大事にし、食料の生産等に関わる人々へ感謝する心をもつ。【感謝の心】

◇食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身に付ける。【社会性】

◇各地域の産物、食文化や食に関わる歴史等を理解し、尊重する心をもつ。【食文化】

 

 

栄養バランスに配慮して自ら調理できる態度を養う

 

例えば【食事の重要性】では、「子供たちが豊かな人間性を育み、生きる力を身に付けていくためには何よりも食が大切である」とした上で、〈学びに向かう力・人間性等〉の柱では「食事に興味・関心をもち、健全な日常生活の基盤を支えるために、自ら調理して食事の準備をしたり栄養バランスに配慮した食生活を実践したりしようとする態度を養う。」と、実践的な教育目標を掲げています。

 

以下、特徴的な部分を見ていくと、

【心身の健康】では「自分の食生活を見つめ直して、主体的によりよい食習慣を形成しようと努力する態度を養う。」

【食品を選択する能力】では「食品表示など食品の品質や安全性等の情報を進んで得ようとする態度を養う。」

【社会性】では「食事が大切なコミュニケーションの場であるということを理解し、コミュニケーションを図ろうとする態度を養う。」「健康で安心な社会づくりに貢献しようとする態度を養う。」

【食文化】では「各地域の伝統や気候風土と深く結び付き、先人によって培われてきた多様な食文化を尊重しようとする態度を養う。」などを挙げています。

 

さらにこうしたポイントをまとめた「学年段階別に整理した資質・能力(例)」として、小学校・低学年、中学年、高学年、中学校別に、6つの「食育の視点」それぞれの目標を一覧するマトリックスを収録。この資料では、義務教育のそれぞれの段階で「食育」がどのように行われるのかが一望できます。

教育関係者以外にも興味深く、分かりやすい資料になっていますので、文科省の関連ページから資料をダウンロードしてご覧になることをお薦めします。

 

出典:「食に関する指導の手引-第二次改訂版-」(文部科学省)(http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1292952.htm)

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