222(コラム)

句形を覚えて、漢文の問題に備えよう!

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句形を覚えて、漢文の問題に備えよう!

国語の出題範囲の1つである漢文は、特別な理解が必要とされることから、多くの人が苦手としている分野です。国語で高得点がとれるように、早いうちから漢文に備えておきたいところです。

 

漢文の点をあげるためには、返り点や句読点などにしたがって読む「訓読」と、漢文ならではの用語やその読み方と意味を学ぶ「重要語」、そして漢文の読み方を理解する上では欠かせない「句形」という、3つの要素を把握しなければいけません。

 

ここでは、大事な要素の1つである「句形」について説明します。漢文の勉強の第一歩として、代表的な句形の内容を把握しておきましょう。

 

漢文の「句形」ってなに?

「句形」というのは、単語と単語、または文と文とをつなぐと共に、つないだ文や単語の関係を表す用語です。英語における「関係代名詞」に近いものだと思ってください。

 

例(否定形の場合):不必A…「必ズシモA(セ)ず」

訳「必ずしもA(する)とは限らない」

 

漢文の内容を正確に理解するために必要不可欠な要素です。逆に言えば、句形を把握しておくと、漢文が理解しやすくなるのです。

 

受験で覚えておきたいおもな句形は、大きく10種類にわかれます。次の章では、それぞれの句形の内容を紹介します。

 

重要な10種類の句形の内容とは?

 

1.否定形

「~ではない」というように、文字通り対象を否定する際に用いる表現です。

否定形ではおもに、「不(~しない)」「無(~がない、~はない)」「非(~ではない)」という否定語が用いられます。これらの否定語が使われている場合は「単純否定」と呼ばれる表現になります。

 

また、否定語である「不」に、副詞である「常・尽・必・倶」という副詞がつくと、「全部否定」「部分否定」と呼ばれる表現になります。

 

これらの否定は、否定語と副詞の順番によって意味が変わります。

 

副詞の後に「不」がつく形だと全部否定(対象のすべてを否定)に、「不」の後に副詞がつくと部分否定(対象の一部を否定)というふうに意味が変わってくるので、読み違えないように注意してください。

 

「無不~(~しないものはない)」のように、否定語を2つ組み合わせると、二重否定という否定の表現になります。

二重否定の意味は、他にも「非不~(~しないのではない)」非無(~がないのではない」のように、用いる否定語や順番によって意味が異なります。少しややこしいですが、それぞれの否定語の意味を覚えておくと、二重否定の意味も読み取りやすくなります。

 

2.比較形

単語や文の間に「於」や「于」「乎」などの置き字が使われていると、それは「~よりも」という比較の句形になります。また、比較の句形には「不如(しかず=及ばない)」というものもあり、よく出題されます。

 

3.受身形

比較形にも使われる「於」「于」などは、「B於(于)A」という形で、「AにBされる」という意味の句形に用いられることもあります。同じ意味で「為A所B」という句形も存在します。

 

4.仮定形

「如」「苟」などは「仮定形」と呼ばれる句形で、後の文章に「……バ」という語句があれば「もし~ならば」という意味に、「……トモ」という言葉があれば「たとえ~しても」という意味になります。

 

他にも、仮定形には文脈で判断しなければいけない「雖(といえども)」や、「たとえ~しても」という意味になる「縦」、「AならばBである」という意味の「A則B」、「AしなければBしない」といった意味になる「不(無・非)A不B」など、さまざまな句形があります。

 

5.使役形

「使」「令」「命」といった用語を「A使(令・命)BC」という形で使うと、「AはBにCをさせる」という意味の「使役形」の句形になります。

 

6.疑問形・反語形

「何」「安」「如何」といった疑問副詞は、「~か」という意味で使われる「疑問形」の句形になります。ただし、文が「~ん(や)」という形で結ばれている場合には、「~ではないのか。いや~だ」という、反語として使われます。

 

7.限定形・累加形

「唯」「独」などの副詞が用いられていたり、最後に「耳(のみ)」という助字があると、「~だけ」という限定の意味になります。しかし、これらの副詞に否定詞や反語がつくと「ただ~だけではない」という累加の意味で使われます。

 

8.詠嘆形・願望形

感動詞である「嗚呼(ああ)」や、文末に「~哉(や)」という助字が使われると、強い感動を表す「詠嘆形」の句形になります。

 

9.選択形

「寧(むしろ)」「孰与(いずれゾ)」などは「選択形」と呼ばれ、文字通り対象を選ぶ場合に用いる句形です。

 

10.抑揚形

「A且B。況C乎」という句形は、「AでさえもBだ。ましてCはなおさらだ」という意味の「抑揚形」句形になります。

 

ここまで紹介した10種類が、漢文での重要な句形になります。

 

ですが今回紹介したのは、あくまでも句形の大まかな内容です。漢文の得点をあげるためには、それぞれの句形についての理解をさらに深めることが大切です。

 

今回お伝えした情報を、漢文を得意分野にするきっかけとして役立ててください。

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