222(コラム)

あなたもいつかは裁判員に? 国民が裁判に参加する『裁判員制度』のしくみ

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裁判員制度の基本2009年に導入された裁判員制度。今では社会の教科書にも載っています。中学・高校入試でもすでに多数出題され、入試の新たな定番項目になった感があります。中には、裁判員制度が導入された経緯を問う問題もあり、制度の名前だけでなく内容まで理解しておく必要があります。そこで、今回は裁判員制度について取り上げてみたいと思います。裁判員制度は、一定の重大な犯罪に関する刑事裁判の第一審に導入されています。殺人などの重大事件を扱うことが多いので、テレビなどで報道されることも多く、ニュースで裁判員になった人が話しているのを見たことがある人もいることでしょう。裁判員制度の大きなポイントは、刑事裁判しか対象にならないことです。お金の貸し借りなどの、私人対私人の争いを裁く民事裁判では行われません。『一定の重大な犯罪』は、死刑や無期懲役の刑がある犯罪のほか、複数の裁判官が裁くことが定められている重大な犯罪を指します。具体的には、殺人、強盗致死、現住建造物等放火などがあります。そして、『刑事裁判の第一審』は地方裁判所で行われるので、裁判員裁判も地方裁判所で行われます。高等裁判所や家庭裁判所など、他の裁判所では行われません。裁判員裁判では、裁判官3名と裁判員6名が話し合いながら審理を行います。裁判員は法廷で裁判に加わり、証拠書類を見るほか、被告人に質問することもできます。また、判決を決定する作業、いわゆる評決にも加わり、有罪か無罪か、有罪の場合には刑の重さも判断します。評決は多数決で行われますが、有罪の場合には裁判官1名以上の賛成が必要になります。 裁判員制度はどうして導入されたの?裁判員制度が導入された背景には、国民と裁判官の間の意識のずれが大きくなったことが挙げられます。裁判官は司法試験をパスした優秀な法律の専門家ですが、日々多くの事件を抱えている上、日本では裁判官が一般社会と関わることがあまりないので、裁判官の下す判決にはどうしても一般市民の感覚とずれたものがあります。また、国民の側も、裁判はどうしても縁遠いものという意識が強く、裁判をもっと身近なものにすることが必要とされるようになっていました。そこで、国民を裁判に参加させることでこうした状況を改善しようと裁判員制度が導入されたのです。 いざ裁判員になったときにあわてないために裁判員は、選挙人名簿に登録された人、つまり20歳以上の人の中からくじで選ばれます。特別な理由がある場合には辞退もできますが、仕事が忙しいという理由で辞退することはできません。平成23年までに選ばれた裁判員の数は約1万8千人。みなさんも大人になれば選ばれる可能性は十分にあります。いざ選ばれたときのために、今のうちに裁判のしくみについてしっかり学んでおきましょう。  

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