<七月二十六日>
夏の風物詩といえば、怪談。1825(文政8)年7月26日、江戸の中村座で四世鶴屋南北作『東海道四谷怪談』が初演されたことから、7月26日は「幽霊の日」とされています。東海道四谷怪談(通称『四谷怪談』)は、夫民谷伊右衛門に毒殺された四谷左門の娘お岩の復讐話で、
江戸の町に実際に起こった事件をモデルにしています。
日本で幽霊と言うと、薄ぼんやりとした明かりのなかでひゅ〜どろどろ〜っという効果音と共に…足のない幽霊が出てくるのがおなじみです。この足の無い幽霊が定着したのには江戸時代中期の画家・円山応挙(まるやまおうきょ:1733-1795)が描いた下半身の薄ぼんやりとした幽霊が有名になったからだと言われています。西洋の場合、ゾンビに代表されるようにずりずりと足を引きずって出て来たり、中国の幽霊もキョンシーに代表されるようにちゃんと足があったりしますので、
足のない幽霊は日本特有のもののようです。
怪談の定番として「タクシーに乗った客が実は幽霊」というものがありますが、江戸時代の怪談話の中には「駕籠に乗る幽霊」というパターンが存在しています。大正時代になると「人力車に乗る幽霊」と、
時代に合わせてちゃんと変化して登場しています。
「幽霊」と言ったり「オバケ」と言ったりしますが、その違いは何でしょうか?「幽霊」は、人が死んだ後、強い恨みや思い残しを持っているときに成仏できずに魂だけが残り、土地や人に憑いているとされているもの。「オバケ」は器物や動物が変化(へんげ)した霊的な存在の総称。物を粗末に使い、捨てることによって後で化けて出てきたり、無下に殺生され、
恨みを抱いて死んだ動物などが違う姿をとって現れるのも「オバケ」です。
苦手な人もついつい聞きたくなってしまう怪談話ですが、夜中に思い出してトイレに行けなくなったりしないように気をつけましょう。
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